2019年1月からスマホやタブレットで確定申告が可能に！（事前の準備手続きは必要です）

◆2019年1月からスマートフォンやタブレットで確定申告が可能になります。

スマホやタブレットで確定申告をするとなると、e-Taxの利用が前提となります。e-Taxを利用しようとすると、まずは①マイナンバーカードを取得して、②e-Taxの開始届書を提出、③利用者識別番号を受領し、④申告等データの送信をしていました（「現行方式」）。

2019年1月からは、e-Tax利用の簡便化のために、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つが追加されます（従来通り「現行方式」でも電子申告可能です）。

◎「マイナンバーカード方式」とは

マイナンバーカード（※）を用いてマイナポータル経由又はe-Taxホームページなどからe-Taxへログインするだけで、より簡単にe-Taxの利用を開始し、申告等データの送信ができるようになります。

ソース：国税庁「e-Tax利用の簡便化の概要について」

「現行制度」では、②e-Taxの開始届書を提出し、③利用者識別番号を受領しなければまりませんでしたが、「マイナンバー方式」では、この手続きが省略されます。

◎「ID・パスワード方式」とは

税務署で職員との対面による本人確認に基づいて税務署長が通知した「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載された e-Tax用のID・パスワードのみで、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxによる送信ができるようになります。

ソース：国税庁「e-Tax利用の簡便化の概要について」

ID・パスワードの取得には、お近くの税務署で職員との対面による本人確認が必要で、運転免許証などの本人確認書類を税務署に持参することになります。

ID・パスワード方式では、マイナンバーカードやカードリーダーを持っていなくても、e-Taxを利用して電子申告ができるようになります。

ただし、国税庁は「マイナンバーカード方式」を推奨しており、「ID・パスワード方式」は、あくまで、暫定的な取り扱いのようです。

◎まとめ

「マイナンバーカード方式」は、マイナンバーカードの取得が必要になります。

「ID・パスワード方式」は、税務署で職員との対面による本人確認が必要になります。

◆e-Taxのメリット

	源泉徴収票などの添付書類の提出が不要（5年間、保管しておく必要はあります）
	確定申告期間中は、24時間（土日を含む）利用可能
	申告会場での順番待ちを回避

◎提出を省略できる添付資料

• 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
• 医療費の領収書、セルフメディケーション税制の医薬品購入の領収書など
• 社会保険料控除の証明書
• 生命保険料控除の証明書
• 小規模企業共済等掛金控除の証明書
• 公益社団法人等寄附金特別控除の証明書
• 認定NPO法人寄附金特別控除の証明書
• 寄附金控除の証明書（ふるさと納税の寄附金受領証明書も含まれます）
• 住宅ローン減税に関する証明書（適用2年目以降のもの）

など

上記以外にも提出を省略できる添付資料がありますので、詳しくは以下のサイトをご覧ください。
国税庁　所得税等の確定申告期によくある質問「第三者作成書類の確定申告書への添付省略」

◎広島県福山市の確定申告会場の待ち時間の様子

上の画像は広島県福山市の確定申告会場の様子です（撮影日は、180分待ちが2017年2月21日、150分待ちが2018年2月26日です）。

中国税理士会福山支部では、毎年、確定申告期の税務支援（税理士無料相談）に1日はアサインされます。わたしは、PCの前に座って相談者さんが持参された書類をe-Taxに入力し、添付書類をまとめ、確定申告書を作成する担当をしています。

中には、順番待ちをしている間に具合が悪くなって、横になられる方もいらっしゃいます。e-Taxを使って、スマホなどから気軽に確定申告出来れば、こういった事態も避けられそうです。

◆個人事業主は、e-Taxを利用しないと青色申告特別控除が55万円に…

個人事業主の方は、平成30年（2018年）の税制改正で、2020年分以後の確定申告から、青色申告特別控除が現行の65万円から55万円に引き下げられます。

ただし、e-Taxを利用して申告するか、電子帳簿保存をしていれば、青色申告特別控除65万円が維持されます。

また、個人事業主で合計所得金額が2,400万円以下であれば、同時に所得税の基礎控除が現行の38万円から48万円に、住民税の基礎控除が現行の33万円から43万円に増額されるので、そのような個人事業主の方はe-Taxを利用して申告するなどすれば、控除額が増額され、所得税、住民税を節税することが出来ます。